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閉塞性動脈硬化症  診断と治療
2008年10月09日

触診の様子 超音波血流計
触診の様子 超音波血流計

診断は問診、理学所見、生理検査、画像診断で行います。問診では、どんな症状がいつから出現したのか、危険因子はないかなどをお聞きします。理学所見では視診、触診が中心で、皮膚の状態を見たり、脈の状態を調べたり、足の皮膚温を調べます。この段階でおおむね見当がつきますが、さらに超音波血流計や足関節/上腕血圧比(ABI)などの生理検査を行います。足関節/上腕血圧比はABIと言われ、足関節で測定した血圧を上腕の血圧の高いほうで割ったあたいです。通常は0.9から1.3が正常値で、簡便な検査ですが、信頼性の高い検査です。世界的なガイドラインでも、70歳以上の男女、50歳以上で危険因子おお持ちの方は検査されるよう推奨されています。

閉塞性動脈硬化の画像診断
画像診断としては、血管エコー検査、CT、MR、血管造影検査などがあります。CTや血管造影などの造影剤を使用する検査は腎臓に負担をかけますので、慎重に適応を決めます。血管エコー検査は当院でできますが、CT、MR、血管造影は当院ではできませんので、必要に応じて他院に紹介させていただきます。

閉塞性動脈硬化の治療

治療は症状や重症度に応じて行いますが、
大きく分けて保存療法と血行再建術とに分けることができます。

保存療法
・薬物療法
・運動療法
・生活指導
血行再建術
・血管内治療(カテーテルによって狭窄部や閉塞部を広げる)
・バイパス手術

当院では血管内治療や手術は行いませんので、主に保存療法を中心に治療します。
糖尿病、高脂血症、禁煙などのリスクファクターのコントロールとともに、運動療法や薬物療法を行います。最近、高炭酸泉浴といって炭酸ガスの末梢循環改善効果を利用した治療が注目されていますが、当院でも薬物療法や運動療法に加え、保存療法の一環として行っています。
いずれにせよ早期の診断と治療の開始が大切です。一度ご相談ください。

閉塞性動脈硬化症
2008年10月09日

閉塞性動脈化症は動脈硬化が原因で、手足の動脈、特に足の動脈が細くなったり、詰まったりして、血行動態が悪くなり、栄養分や酸素が不足してさまざまな症状をおこす病気です。一般的には慢性に進行しますが、脱水による血液の粘性が亢進したり、ショックなどにより循環動態が低下すると急激に血管が閉塞に陥り、危険な状態になることがあります。
動脈硬化が原因ですから、他の動脈硬化性疾患(心筋梗塞、脳梗塞など)の合併も多く、注意を要する疾患です。

閉塞性動脈硬化の成因

動脈は内膜、中膜、外膜の3層からできていますが、主に脂肪からなる粥状物質が内膜に沈着し、肥厚が進みます。更に内膜が破綻しますと血小板が凝集し更に狭窄が進み、ついには閉塞に至ります。

危険因子

動脈硬化症の危険因子には糖尿病、高脂血症、喫煙、高血圧、肥満などがあります。危険因子のない方と比べますと、糖尿病では4倍、高脂血症では2倍、喫煙では3倍、閉塞性動脈硬化症を起こしやすいといわれています。これらの危険因子のコントロールも治療上大切です。

症状と重症度

閉塞性動脈硬化症の症状はフォンテイン分類がよく用いられます。
このうち3度と4度はあわせて重症虚血肢とよばれ、治療にも難渋することが多くなります。

1度 冷感、しびれ 1度  冷感、しびれ
(足が冷たい、しびれる)
2度 間歇性跛行 2度  間歇性跛行
(休み休みでないと歩けない)
3度 安静時痛 3度  安静時痛
(じっとしていても痛む)
4度 壊死、虚血性潰瘍 4度  壊死、虚血性潰瘍
(足の組織が死んでしまう)
下肢静脈瘤 治療までの流れ
2008年10月09日

静脈瘤で受診希望の方はまず外来で診察させていただきます。
診察の結果、明らかに軽症の場合は保存療法をお奨めします。
それ以上の場合は手術が必要かどうか決めるために血管エコーで逆流の有無を調べます。
このエコー検査で、硬化療法でいいか、手術が必要か、また手術が必要な場合は結紮術かストリッピングかどうかの治療方針を決定します。
手術は一日で終わりますので、日帰りで行えます。

下肢静脈瘤の治療までの流れ

下肢静脈瘤の治療
2008年10月09日

治療は症状に合わせて行いますが、手術をしない治療と手術との二つに分けることができます。
比較的軽症の場合は弾性ストッキングの着用や生活習慣の改善といった保存療法や硬化剤を静脈内に注入して固める方法です。手術は局所麻酔でできる結紮術と一般に全身麻酔で行うストリッピングがあります。当院では全身麻酔ができませんので、結紮術までの治療を行います。
それぞれの治療法をもう少し詳しく説明しましょう。

保存療法(弾性ストッキング)

弾性ストッキング静脈血のうっ血を防ぐために弾性ストッキングを着用します。ハイソックスタイプ、ストッキングタイプ、パンストタイプのものがありますが、およそ40気圧の強いものを用います。
生活習慣の改善としては、長時間たったままや腰をかけたままの姿勢をしないようにしたり、同じ姿勢のときは足踏みをしたり、足をマッサージしたりします。寝るときは足を少し高くしたり、また足や膝に負担をかけないよう太りすぎに注意します。

硬化療法

硬化療法
拡張した静脈に硬化剤を注入して血管を固めてしまう方法で、静脈瘤は目立たなくなります。まれに注入した部位が硬くなったり、色素沈着を起こすことがありますが、徐々に軽快します。

結紮術

結紮術
手術前日に血管エコー検査を行い、逆流の強い血管を調べます。当日は午後からの手術になりますが、昼食は軽く摂っていただいて結構です。局所麻酔下に結紮しますが、通常は5、6箇所で、一箇所に約10分ほどかかります。日帰り手術ですので、日常生活はいつもどおりにしていただけます。術後の痛みや感染防御のため数日間抗生剤と消炎剤を内服していただきます。

ストリッピング

ストリッピング
静脈瘤の程度がひどく、静脈の拡張が強いものに対しては、いたんだ静脈そのものを抜去する必要があります。これは通常は全身麻酔で行います。当院では行いませんので、必要に応じて他院を紹介させていただきます。


下肢静脈瘤とは
2008年10月09日

下肢静脈瘤下肢の静脈瘤は一般に女性に多く、足の静脈血が心臓に返りにくくなり、血液がたまった状態(うっ血)になり、静脈が拡張、蛇行し、見た目が悪くなるばかりでなく、さまざまな症状をひき起こす病気です。

下肢静脈瘤の症状

静脈瘤の症状を起こす原因はうっ血です。このうっ血によって、だるさ、重さ、むくみが出現します。更にひどくなるとうっ血性皮膚炎を起こします。これにより、かゆみが出たり、色素沈着が起こったり、更には潰瘍などを形成します。また血液の流れが悪くなり、血液の塊(血栓)を生じることがあります。
血栓による症状としては血栓性静脈炎と肺塞栓症があります。血栓性静脈炎を起こすと血管の周辺が赤く腫れ、強い痛みを生じます。
肺塞栓症は血栓が静脈に乗って一旦心臓に返り、肺に送り出され、肺の動脈が詰まって、肺の働きを損なう病気です。詰まった血栓が大きくなると肺の働きを大きく損ね、まれに命取りになってしまうことがあります。

下肢静脈瘤の原因

下肢静脈瘤の原因動脈は心臓の収縮力よって血液が送り出されますが、下肢の静脈血は第二の心臓と言われる下腿の筋肉の収縮により、上流へと押し上げられます。一旦押し上げられた血液が下がらないよう静脈には弁があります。この弁が正常に働かなくなると、血液の逆流が起こり、心臓までの圧がかかり、下肢に血液がたまった状態になります。こうして静脈が拡張し、更に蛇行して静脈瘤となってきます。


正常時 静脈瘤
正常
弁の働きで血液は上へ流れる。
静脈瘤
静脈の弁が壊れると血液は逆流し、
その下の静脈は拡張し静脈瘤となる。
専門科目

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村山医院

循環器内科・外科・血管外科

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