閉塞性動脈硬化症
閉塞性動脈化症は動脈硬化が原因で、手足の動脈、特に足の動脈が細くなったり、詰まったりして、血行動態が悪くなり、栄養分や酸素が不足してさまざまな症状をおこす病気です。一般的には慢性に進行しますが、脱水による血液の粘性が亢進したり、ショックなどにより循環動態が低下すると急激に血管が閉塞に陥り、危険な状態になることがあります。
動脈硬化が原因ですから、他の動脈硬化性疾患(心筋梗塞、脳梗塞など)の合併も多く、注意を要する疾患です。
閉塞性動脈硬化の成因
動脈は内膜、中膜、外膜の3層からできていますが、主に脂肪からなる粥状物質が内膜に沈着し、肥厚が進みます。更に内膜が破綻しますと血小板が凝集し更に狭窄が進み、ついには閉塞に至ります。
危険因子
動脈硬化症の危険因子には糖尿病、高脂血症、喫煙、高血圧、肥満などがあります。危険因子のない方と比べますと、糖尿病では4倍、高脂血症では2倍、喫煙では3倍、閉塞性動脈硬化症を起こしやすいといわれています。これらの危険因子のコントロールも治療上大切です。
症状と重症度
閉塞性動脈硬化症の症状はフォンテイン分類がよく用いられます。
このうち3度と4度はあわせて重症虚血肢とよばれ、治療にも難渋することが多くなります。
1度 冷感、しびれ (足が冷たい、しびれる) |
2度 間歇性跛行 (休み休みでないと歩けない) |
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3度 安静時痛 (じっとしていても痛む) |
4度 壊死、虚血性潰瘍 (足の組織が死んでしまう) |
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